*4/9 Sat. 15:00-19:00 月例ロービジョン研究会 - KL Vision 2011報告会 -(1) [#z4597963]

第10回国際ロービジョン学会 KL Vision 2011で行われた発表の内容についてシェアしながら勉強した。

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-FP.4.1 Navigational Support for People with Vision Impairment~
Bláithín AM Gallagher, PhD; Debadutt Goswami, MRes, BIS(H),MBCS; Brendan Ruff, B.Sc;
Alastair Buchanan, PhD; Ruben Rodriguez, BEng; Juan Dura, PhD; Helen Petrie, PhD,~ NCBI: National Council for the Blind of Ireland, Dublin, Ireland~
Trekker, Wayfinder などのGPSをつかったナビゲーションエイドがある。最後の10mで分からなくなる(GPSの精度の)問題、広いopen spaceではランドマークがなく方位センサーのないエイドでは難しい。そこでBravisという装置を提案する。眼鏡にのせたカメラで画像処理し、あらかじめ記録された情報とマッチングして音声で知らせ、現在位置を触図ディスプレイで示す。実装ができない部分については、オズの魔法使い式につくり4名の盲人で評価した。プロトタイプを紹介。

-FP.4.2 Models of Low Vision Care in US~
Cynthia Stuen, PhD; Thalia MacMillan, PhD, MSW~
Lighthouse International, New York, USA~
60年の歴史をもつUSのロービジョンサービスの現状をインターネットをつかって調査した。個人サービス、眼科病院、視覚障害施設、Veteran's Administration Center などのサービス提供者から全体で56件の回答があった。多くが成人だけでなく未成年者に対してもサービスしており、多くはロービジョン検査のプロトコルを持っていたが、明文化されているのは48%だった。オプトメトリストがメインでサービスを提供しているが、エイドの訓練はOTとLVT(Low Vision Therapist)が提供していた。サービス提供のためのスタッフの配置はさまざまであった。

-FP.4.3
Near Additions and Reading Performance in Pre-Presbyopes with Low Vision~
Susan J. Leat, PhD, FCOptom, FAAO; Karine Briand, BSc, OD; Nabiha Hamaed, BSc, OD,~
School of Optometry, University of Waterloo, Ontario, Canada~
ロービジョンの患者では比較的若いうちから近見調節機能がさがってくることが知られはじめた。老眼になる前の状態でも、近見加入をして読書成績がよくなるかを検討した。8-34歳までのロービジョン(無水晶体、偽水晶体眼を除く)で、通常の作業距離、12.5cm, 25cmの距離に近見加入した場合としない場合で読書成績をMNREADで比較した。年齢があがるにつれ、また視距離が短い場合に、よりはっきりするが、近見加入した方が読書視力は有意によくなった。最大読書速度、CPSには有意差がなかったが、AUC(Area under the curve)にも近見加入で効果があった。比較的若いロービジョンの患者に対しても、近見加入は臨床でデモすべきものと言える。AUCはよい測度かもしれない。

-AUC: The area under the plot of plasma concentration of drug (not logarithm of the concentration) against time after drug administration. The area is conveniently determined by the “trapezoidal rule”: the data points are connected by straight line segments, perpendiculars are erected from the abscissa to each data point, and the sum of the areas of the triangles and trapezoids so constructed is computed. 
# http://pharmacologycorner.com/pharmacokinetics-what-is-the-area-under-the-curve-auc/

-FP.4.4
Speech Reading with Simulated Visual Impairment~
Chris Dickinson, PhD; Jake Taylor, MSc,~
Faculty of Life Sciences, University of Manchester, United Kingdom~
遮蔽で0.1から0.01くらいに視力を下げ、68dBくらいのノイズの中でビデオ会話がどの程度正しく認識できるかを調べたところ、視力低下にしたがって会話認識の正答率が下がることが観察された。コントラスト感度でR^2=0.59説明でき、視力を加えても説明率はあがらなかった。コントラスト感度が2dBさがると5%認識率が下がるというリニアな関係があった。MET コントラスト感度測定の結果が加齢とともに変化する別の研究結果と合わせて考えると60歳以上の人では、会話を視覚的に理解する能力が有意に下がっている可能性がある。高齢で聴力低下がある場合にロービジョンでは会話がさらに困難になることを示唆している。

-FP.4.5 Low Vision, the Dutch Way~
Gerringa, Paul G.J., FAAO, Low Vision Europe, The Netherlands~
患者の家でロービジョンサービスを提供している。検査器具、屈折矯正、近見・遠見の光学エイド、CCTV、遮光フィルタ、バイオプティックなどなど、ありとあらゆるロービジョンエイドをバンにつみこんでサービスをデリバリする。http://www.lowvisioneurope.com/を見ると、未完成で、これからのサービスなのかという印象。


-FP.7.1 Comparison of Rehabilitation Plan Formulated by the DAI and A Regular Intake~
JE Bruijning, MSc; RMA van Nispen, PhD; GHMB van Rens, PhD, MD~
VU University Medical Center, Amsterdam, The Netherlands~
Dutch Activity Inventory (DAI)は、項目の回答選択肢がGoal Task, Important, Not-applicableにわけているのがよかった(新井談)。DAIで調べた内容は、単純にインテークするよりも多くのニーズを掘り出すことができた。outcomの評価項目にeconomy の項目があるのが印象的だった。

-FP.7.2 Critical Features for Face Recognition in Normal Foveal and Peripheral Vision~
Jean-Baptiste Bernard; Deyue Yu; Susana T. L. Chung~
School of Optometry, University of California, Berkeley, USA~
晴眼者が顔の認識に中心視と周辺視をどうつかっているかをアイトラッカーをつかいながら調べた研究だが、刺激はセレブの写真280枚横14度x縦21度。3度のウィンドウを視線に追従させ、人物同定させる。視線の中心に出すか、左6度偏心視野に出して、眼球運動の特性を記録した。周辺では凝視回数も凝視時間も多くなった。この違いは視野の解像度によるのかもしれない。

-FP.7.3
A Randomised Controlled Trial of Eccentric Viewing Training for Patients with Age Related~
Macular Degeneration~
K Thayaparan, Bsc Hons; H Roche, BSc Hons; M Crossland, PhD; GS Rubin, PhD~
下方視野にあるTRLでの偏心視訓練をするグループ、患者のPRLでの偏心視訓練をするグループ、訓練なしや別の読書訓練のグループと4つに200人のAMDの患者をランダムに割り当て、MNREAD、iReST、Morganロービジョン読書理解評価、Mossof Activity Inventory, MacDQoL質問表で効果を比較した。TRLとPRLの間では有意差がなかったが、TRL/PRLでの訓練をしたグループは、とは差が見られた。非常に注目を集めたペーパーで、多くの質問が出たが、結果を数値的に明示できていなった。論文として出版されることに期待。







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